opera4

作曲

ガエターノ・ドニゼッティ

登場人物

アディーナ(S): 地主の娘
ネモリーノ(T): 村の若い農夫
ベルコーレ(Br): 村の守備隊の軍曹
ドゥルカマーラ(Bs): いかさま薬売り
ほか

第1幕

時は19世紀、舞台はスペイン、バスク地方の小さな村。美しいけどちょっと高飛車な村娘アディーナは、『トリスタンとイゾルデ』の物語を村人たちに読んで聞かせています。トリスタンの飲んだ惚れ薬によって恋に落ちたイゾルデ姫。そんな薬が本当にあったらいいなと陰からそっと聞いていたのは、アディーナに恋していた純真無垢な若い農夫ネモリーノでした。
そこへ村の守備隊の軍曹ベルコーレが現れます。見るからに頼もしいベルコーレはアディーナを口説こうとしますが、アディーナは惹かれつつもここはかわしておきます。その様子を見て焦ったネモリーノもアディーナに勇気を出して告白しますが、相手にされません。しかし彼女は内心では、純粋な心を持つネモリーノを気にかけていました。
村の広場には、金色の馬車に乗った薬売りのドゥルカマーラが到着しました。万病の特効薬を売るドゥルカマーラに、農夫ネモリーノは、あのイゾルデ姫が飲んだ「愛の妙薬」はないかと尋ねます。いかさま薬売りのドゥルカマーラは安物のボルドーワインのラベルを貼り替えて売りつけ、明日になれば効き目が現れると言います。その間にドロンしてしまおうというわけです。
これで「明日にはアディーナは自分のものになる」という態度をとったネモリーノは、彼女のプライドを傷つけ、彼女はベルコーレ軍曹と結婚すると言い出します。しかも、今日中ということになり、ネモリーノは大いに慌てたのでした。

【第2幕】
ネモリーノは愛の妙薬の効き目をはやく出すため、もう1本飲もうと思いますが、お金がなくて買えないため、命の保証も顧みず軍隊に入って、契約金を手に入れます。
実はちょうどそのとき、村の娘たちの間では、ネモリーノの叔父さんが亡くなって莫大な遺産が彼に転がり込んだという話で持ちきりになっていました。ネモリーノの周りに集まる娘たちに、何も知らない彼は薬の効き目が現れてきたと勘違いします。
一方のアディーナはそんなおかしな光景を見せられ困惑しますが、ドゥルカマーラからネモリーノにまつわる一連の事情を聞きます。命を投げ出す覚悟で軍隊に入ってまで、妙薬を手に入れようとしたネモリーノの愛情の深さに、彼女は涙を見せるのでした。
アディーナの涙にネモリーノも気が付きます。アディーナがネモリーノの入隊契約書を買い戻し、二人は結ばれました。ベルコーレ軍曹は、女は他にもたくさんいると言って気にしません。結局、「愛の妙薬」の効き目はありました。薬売りドゥルカマーラは村人に見送られて馬車を出発させたのでした。